マンションでは専有部分という区分所有者が所有している部分と、共用部分という区分所有者全員(管理組合)で所有している部分があります。
例えば、次の箇所は共用部分or専有部分でしょうか?
・バルコニー
・玄関ドア
・窓
これらは、共用部分だけど、そのお部屋の方が専用で使用できる「専用使用権」部分という考え方です。
専用使用部分とは共用部分の中でも災害時などを除いた通常時において、特定の区分所有者だけが使用することを許可された部分のことを言います。
厳密には、玄関ドアや窓といった部分は廊下側の半分は共用部分、室内側のもう半分は専有部分という扱いが一般的になっています。
よってマンションの玄関ドアは勝手に替えることはできません。
ただ、リフォームの際、室内側の面のみシートを上張りしたり、塗装したりは可能です。(工事には管理組合への事前許可が必要です)
修理や維持管理の基本としては、共用部分は管理組合、専有部は区分所有者が行うこととなりますが、例えば窓ガラスを割ってしまった場合の修理に関しては、一般的に区分所有者がその負担において行うこととなります。
マンションの窓や玄関ドアは、ふだん使用をしている範囲で発生した不具合については、専用使用権のある区分所有者が行う必要があるのです。
共用部分でもあるため計画修繕は管理組合で行われますが、その他の管理に関しては基本的に区分所有者負担であると思っておきましょう。
先日、お客様からの入居後の不具合で、窓サッシのハンドルロックが動かなくなってしまったご相談がありました。
ちょっと特殊な窓サッシで「縦すべり出し窓」というタイプです。
まず管理会社へ相談されたそうですが、管理会社手配の業者さんに見てもらった所、修理じゃなくて窓サッシごとの交換になります、と言われて、その見積額が約50万円とのこと。
サッシのロックができなくて、まさかこんな展開になるなんて思ってもみず、お客様も驚かれてしまったそうです。
額も額ですし、本当に修理じゃ対応できないのか、他の業者さんにも見てもらいたいと管理会社へ伝えると、手配した業者さんで対応してもらわないと困るとの回答。
不審に思ったお客様は、私に相談をしてくれました。
弊社がお世話になっているリフォームの方に相談し、サッシ屋さんに見てもらったところ、部品の交換もなく、調整で開閉できるようになりました。
短時間で解決できたのも、あのサッシ屋さんの技術・経験値があってこそ、と思います。
話がズレてしまいましたが、マンションの玄関ドアや窓サッシは自由に交換しづらい箇所といえますとので、異変にすぐ気付けるように普段から不具合など状況をチェックするようにしましょう。
なお、どんなに大切に使っていても老朽化や、時代とともに仕様が見劣りしてしまうものです。
築30年を超えてきた分譲マンションの中には、管理組合にて玄関ドアや窓サッシの更新工事が行われる事もあります。
カバー工法という、既存枠をそのまま利用して更新する工事が一般的です。
サッシ周辺をはつったりする必要がなく、比較的短時間での工事可能なためです。
窓ガラスは複層ガラスになり、機密性や断熱性が以前より高まり、快適な生活を送ることができます。