住宅や土地を購入したり、新築したりしますと、税務署から
「新築・買入または賃借された家屋等についてのお尋ね」が送られてきます。
この「お尋ね」には、家屋の構造や床面積、用途などの内容、
建築や取得資金の明細、資金の調達先、
さらに名義人の職業や年収などを記入するようになっています。
これは建物の建築や不動産の購入に際して、
贈与などを受けていないかを調査する資料となるもので、
税務署が調査する目的としては、以下の点などがあります。
-
明らかに共有持分を間違っていないか
-
贈与税の申告の必要はないか
-
過去の所得と比べて手持ちの預金が多すぎないか
-
親子など親族間の借入れが贈与に該当しないか
-
他の資産の売却代金の充当が適切に行われているか
例を用いて1.~5.を考えてみます。
持分割合の決め方(例) ※単位:万円
出資者 | 夫 | 妻 |
自分の預貯金等から出した | 500 | 200 |
銀行などから借り入れた | 1,000 | 0 |
親族から借り入れた | 500 | 0 |
贈与でもらった | 0 | 300 |
合計 | 2,000 | 500 |
持分計算 | 2,000/2,500 | 500/2,500 |
登記持分 | 4/5 | 1/5 |
明らかに共有持分を間違っていないか
上記の例のケースで言えば、夫婦の持分割合は夫(4/5)、妻(1/5)であるべきところ、
登記申請を夫(1/2)・妻(1/2)にて行っていた、となると
出資割合と登記割合が誤っているということになります。
贈与税の申告の必要はないか
上記の例のケースで言えば、妻には贈与でもらった資金が300万円ありますので、
110万円基礎控除を利用したとしても、
住宅取得等資金贈与の非課税特例などの適用を受けるため
税務署に贈与税の申告が必要と考えられます。
親子など親族間の借入れが贈与に該当しないか
上記の例のケースで言えば、夫には親族から借り入れた500万円の資金がありますので、
親族間でも金銭消費貸借契約を結んで、返済を行っている実情があるか等、
贈与ではなく貸借であることを証明できる必要があります。
他の資産の売却代金の充当が適切に行われているか
例えば、夫名義だったマンションを売却し、新居を夫婦で購入するような住替えだった場合、
マンションの売却資金が、新居の購入に充てられるとしたら、
その資金分が、新居における夫の登記割合に反映されているか。
マイホームを買う時は、資金の出資割合と登記割合を誤らないように注意しましょう。